S・M・F疾風怒涛の九日間終える

個性がぶつかりあう展示。案外バランスが取れず、時には観る人に散漫な印象を与えてしまうこともある。

けれど、今展は絶妙なバランスでエネルギーが放出されていたと思う。それはウインドウを飛び出し、界隈へ路地へと拡散していった。

つくづく知らされる。アートは色彩と形態で人々と内奥で通ずる。それは確信へと変わってゆく。

通り過ぎようとする人が思わず惹きつけられて、扉をあけてくださる渡辺有葵120号、植松知祐ピンク連作の両サイド。

回りを一巡りして奥の奥まで覗き込もうとする人の姿が愛おしい伊澤夏男作品。

青山幸代の画面の前では、少女が作者と話がしたくて待っていてくれる。

葛巻桂子の上下組作品、長い時間対話をするかのような人が佇む。

周りの雑音を消し去る塚越由佳オブジェ。自分の居場所の頼りなさを知らされるのはなぜだろう。美しくはかないもの集積して。

橋本正太郎作品、冒険的パフォーマンス。あの人たちの側に立つ。徒労にも似た訴えかけがひたすら辛く痛く染みるのは、正しく現状を伝達しきった証左。

すべては奇跡のような巡り合いの限定された時間帯に出現した。見に来てくれた多くの人、ありがとう。たくさんお話ができてよかった。そして見に来てくれなかった相当数の方々、舞台裏を支えてくれた皆さん本当にありがとう。(M・U) 2011_1205_181603-R0011224.JPG